私が、引越し業界で営業をしていたときの話しです。
大きく分けて2つのタイプのお客様がいらっしゃいました。
ひとつは、営業マンの押しに負けてしまい1社目で決めてしまう人。
もう一つは、営業マンと一切交渉をしないで、5〜6社見積もりを取っていって回数を多くすることで値段を下げていく方法を取る人。
共通して言えることは、どちらも最安値を引き出せていない可能性が高いということ・・・
「たくさん見積もりを取れば、その分安くなるんじゃないの?」
そう思いますよね?
「料金を安くしたければ、見積もりをたくさん取った方が良い」
これって一見すると「その通りでしょ!」と感じるかも知れませんが、営業マンの立場で言えば、実はそうでもないんです。
私は、引越し業界最大手の会社で、営業として働いていた経験があります。
ですが、現役じゃないので、誰かに忖度する必要がありません。
引越し業界の裏側を知っているからこそできるアドバイスがあります。
この記事では、見積もりの数を増やすだけでは最安値を引き出せない理由と、見積もりの数を最小限にしてさらに最安値を引き出す方法を引っ越し会社の営業マン目線で紹介します。
何社くらい呼べばよいの?
この質問に答えるなら「3社」です。
その理由と実際の進め方を、これからお伝えしていきますね。
【結論】見積もりは3社あれば十分です
突然ですが・・・
あなたは次の3つのどれに当てはまりますか?
- 安い業者を選ぶ(探す)
- 安くて良さそうな業者を選ぶ
- 信頼できる業者に安くやってもらう
このブログでは3つ目を推奨しています。
まず信頼できる引越し業者を見つけて、
次にその業者と交渉することで安くやってもらう
このために必要な見積もりが3社ということなんです。
訪問見積もりの回数はなるべく減らしたい
訪問見積もり1件にかかる時間を考えてみましょう。
ネット上で検索してみると、30分〜1時間程度と書かれているものがほとんどでした。
訪問見積もりの一般的な流れは・・・
- ご挨拶
- ご要望の確認
- お荷物のチェック
- ご提案(会社の説明)
- 料金提示(見積書)
- ご意思の確認
とまぁこんな感じです。
では、それぞれ何分くらい掛かるのか?
訪問見積もりの所要時間は?
営業マンが名刺を差し出し、挨拶と自己紹介をします。
ここで、訪問見積もりのお礼(プレゼント)をお渡しする業者が多い
引越し日や希望時間など、引越しに関連する情報の確認と、
今回の引越しに対する思いやご希望をお伺いします。
今回の引っ越しで持っていくものを確認します。
家具や家電など以外は、ダンボールで何個分という計算をしていきます。
「うち(弊社)は、こんな引っ越しを提案します」という時間です。
ここで気になったところは、質問しておくとGOODです。
見積もりが提示されます。
見積もり金額はいかがですか?
ご契約いただけますか?という確認をします。
30分〜1時間と言われている内訳は、だいたいこんな感じです。
すべての引越し業者が上記の時間で収まるわけではありません。
中には、とても丁寧に進めてくれるところもあって、「1〜5」までで、
45分〜1時間くらい掛かることもあります。
私が見積もりをしていたときも、実際にそのくらい掛かることがありました。
主に「2、3」で、お客様から質問を頂いたときなどで、特にエアコンの移設を検討されているお客様には、説明に時間が掛かったのを覚えています。
- 配管の劣化度を確認
- 配管の長さを確認
- 移設場所の室外機の位置関係の確認
(移設後に必要な配管の長さ) - 各種オプションの説明
(配管交換、コンセント交換、電圧切替、配管カバー、エアカットバルブなど)
そうなると、
30分〜1時間30分くらい
となるので、1社に対してMAXの1時間30分と考えておくべきです。
訪問見積もりの詳しい、流れと時間については以下の記事を参考にしていただけると嬉しいです。
<(準備中)訪問見積もりの流れと所要時間の詳細記事はこちら>
「ご意思確認」を少し詳しく解説!
「6」のご意思の確認が「5分〜(5分から)」となっているのは、ここの時間が引越し業者によってだいぶ差が出るところだからです。
あっさり終わるところもありますし、30分以上長引く業者もあります。
ここでやっていることは、
お客様の「比較・検討させてください(今は決められません)」というご意思に対して、
「今決めてください!」という営業マンのやり取りです。
30分以上、「今決めてください!」を躱し続けるのは、かなりの労力(ストレス)だと思いませんか?
こうなると、1社でへとへとです。
小さいお子さんがいらっしゃるなら、お子様からも目が離せないので更に大変です。
そんな訪問見積もりを、5社も6社も続けられますか?
無理ですよね?
おそらく1社目が終わった時点で・・・
最悪は1社目が1時間以上経ったところで、もう面倒だからいいかな?
って思ってしまいます。
(30分くらいで終わるだろう・・・)
と思っていたら、余計にそう思っちゃいますよね?
(もう決めちゃっても良いかな)って・・・
だからこそ、最初から多くの見積もりを予定しておくのではなく、3社くらいに絞っておくことをオススメしたいのです。
面倒な訪問見積もりの数は、少ないに限るという事なんです。
理由は正常な判断ができなくなる可能性があるからです。
交渉しないという姿勢は不利になる?
中には「交渉は一切しません」というスタンスで臨んで来るお客様もいらっしゃいます。
「他社の見積もりは開示しません」という方もいらっしゃいました。
正直、これはもう何がしたいのかわからないです。
考えられるのは、交渉事や駆け引きが単純に嫌い(押しに弱いなど)だという方で、なるべく安くはしたいけど、最安値ではなくても良いと考える方なのかな?と・・・
こういう人たちは、
- 引越し会社なんてどこも一緒
- ただ荷物を運んでくれれば良い
- 何かトラブルがあっても対応してくれるでしょ
って思っている人たちなのかな、と思います。
でも、営業マンの立場からすると、「できるだけ安くしたい」と考えるならやっぱり交渉や駆け引きは必要です。
「交渉しません」という姿勢を取られてしまったら、最初の見積もりを高めに出していくことがあるからです。
USK特に訪問見積もり1社目の会社にそれをやられると、高い金額からスタートするので厄介です。
2社目、3社目以降、前の業者の見積もりを開示するという方もいらっしゃますが、「交渉しない」という姿勢は、営業マンのやる気を削ぎ、数千円ずつしか下がらない可能性を高めてしまいます。
(営業マンは、「どうせ決まらない」と思うから)
このパターンは、できるだけ多くの見積もりを取ることで、見積り金額を下げる方法になりますが、労力が増えるだけで交渉する以上の効果は出ないと思っています。
交渉してくれた方が、もっと安くできるのに。
というのが、営業マン側の思考です。
見積もり金額が安くなるメカニズム
引越しの見積もり金額が下がるタイミングには、2つのパターンがあります。
一つは、前に入った引越し業者の見積もり額を知った時。
もう一つが、交渉です。



営業マンが契約を取ろう(決めよう)としたときに、見積もり額が大きく動くときです。
常に相手(営業マン)に「決められそう」と思わせることが重要なんです。
3社が良い理由
私が、
「訪問見積もりに呼ぶ業者は3社」
をオススメする理由は、
- 信頼できる引越し業者を見つけるため
- 信頼できる業者に安くやってもらうため
です。
訪問見積もりは、30分〜1時間とされていますが、
1社1社しっかり確認していくと、それ以上の時間が掛かってしまいます。
<(準備中)訪問見積もりで確認するべきこと>
そうなると、1日に詰め込める件数にも限界があります。
1社に掛かる時間×見積もりの数
慣れない『交渉』はとても疲れて負担も小さくありません。
引越し業者の『作業内容』や『その会社の強み』がわからないと、見積もり金額だけで判断することになってしまいます。
さらに、見積り金額を安くしたいなら、どうしても交渉が必要になってきますが、『交渉』をすると、どうしても1社の見積もり時間が長くなってしまいます。



1日に対応できる訪問見積もりは3社くらいが限度だというわけです。
ではその3社を、どうやって決めるのか?
詳細は別の記事で紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。


最安値を引き出すということ
引越しの見積もりで最安値を引き出すためには、営業マンに「契約が取れそう」と思わせる必要があります。
どういうことか?
引越し業界は、価格勝負の傾向にあります。
比較的どの会社の営業マンも、「安くすれば決めてくれる」と思っているはずです。
全員が全員その考えか?と言われると、全員ではないかも知れませんが、業界的にその傾向が強いということは間違いありません。
うちはこの価格です。
この価格でなければ決めて頂かなくて結構です!
というスタンスの営業マンは、ほとんどいないはずです。
その証拠に、2社目以降はほとんどの営業マンが前の見積もり金額を知ろうとしてきます。
そして、
「うちはもっと安くできますよ!」と言ってくると思います。
または、
「いくらならうちに決めてくれますか?」と聞いてくる営業マンもいます。
安くすると最安値の違い
- 安くする=前の業者の見積もりが比較対象
- 最安値=納得できる価格
最安値の定義を、ここでは『納得できる価格』とさせてください。
正直キリがないというのが本音です。
- これだけの内容でこの価格なら十分だ。
- もちろん他の2社よりも安くしてもらえたし・・・
- もっと安くできたかも知れないけど、まあ妥当かな
こう思えるラインを最安値として、判断(契約)すると納得感があって後悔することもありません。
では、そのラインは何か?ということですが、それが予め設定する「ご予算」になります。
お客様の中には、「予算は決めてません」という方が一定数いらっしゃいました。
実は決めているけど、「言いたくない」という場合もありますが、本当に全く想定していないという方もいらっしゃいました。



伝える、伝えないは別として、
予算は決めておいた方が良いです。
予算を決める
予算を決めていない場合、目安(目標)が無いために見積り金額が
- この金額は高いのか?
- それとも安いのか?
- はたして妥当なのか?
- もっと安い会社があるんじゃないか?
- 最初に出してもらった見積もり額は妥当なのか?
様々な疑問が生じて、不安になってしまいます。
納得できる価格=予算以下
です。
予算の決め方は、
- 相場
- 引越しに使える金額
から決めていくことになりますが、特に重要視して頂きたいのが②です。
今回の引越しでいくら使えますか?
- これ以上は払えないな という金額は?
- コレくらいだったら嬉しいな という金額は?
この2つ目を基準(上限)にしてください。



それ(予算)をもとに、交渉していくイメージ!
注意すべきは、相場を必要以上に意識しないことです。
大丈夫です。
交渉の詳しいやり方については、別の記事で詳しく解説していますので、そちらを参考にしてみてください。


最安値とは?
正直、何が最安値かは誰にもわかりません。
中身(作業内容や保証など)にこだわらないなら、安い業者はいくらでもあります。
でも、引越しは中身が大事です。
- 大切な家具や家電、荷物を任せる
- マイホームなら、新居に傷を付けられたくはない
誰もがそう思うと思います。
信頼できる業者に、納得できる価格(予算内)で依頼すること
これを目指したいですよね?
安かろう悪かろうでは意味がない
- 相見積もりで価格競争に持ち込む
- 交渉は一切しない
比較的品質の低い、雑な業者が混じっていると、質の良い業者が去っていくことがあります。
「うちは降ります」という感じで・・・
引越しで言う「質」とは?
引越し会社の品質=作業員の質
私はスキル以外にもマインドが大切だと思っています。
スキルは高くても、マインドが低いと作業が雑になり事故も起こりやすくなります。
スキルなら間違いなく大手です。
大手は、特に差別化のため『教育に力を入れている』傾向にあります。
しかし、大手はマインド(企業風土)の面で不安が拭えません。
企業風土は作業員のマインドに影響します。
企業風土やマインド面は、営業マンを見て判断することが出来ます。
失敗しない引越し業者の選び方については、別の記事で詳しく解説していますので、そちらを参考にしてみてください。


作業員のレベルが低い
いくら安くても『品質のよくない業者』は嫌ですよね?
- 日本語も通じない外国人スタッフが混じっていた
- 作業チーム内で怒号が飛び交っていた
- 新居の壁に傷がついていた
- 新居の床に擦り傷がついていた
- 家具に傷が付いていた
- 引っ越し後から家電の調子がおかしい
- 時間通りに始まらない
- 予定よりもかなり遅れて終了した
- 当日追加料金を請求された
挙げればキリがありませんが、ネット上にある実際にあったトラブルです。
いくら最初の見積もりが安くても、結局 『後で高くつく』なんてこともあります。
会社の企業風土が良くない
これは主に、物損などのトラブルがあったときの対応に表れます。
- それ本当にうちの作業員がやったんですか?
- 対応に時間が掛かる
- レスポンスが遅い
- 最悪は作業員に対応させる
「うち(引越し会社)は保険に入っているから安心です」
これも営業マンの常套句ですが、保険で保証されるケースは滅多にありません。
当然ですよね?
物損などの事故が起こるたびに、保険を使っていたら保険料がバカ高くなってしまいますから・・・
まとめ:信頼できる業者に最安値で依頼する方法
ということで、最後に「信頼できる引越し業者を見つけて、どこよりも安く依頼する方法」としてまとめておきますね。
厳選した3社を見積もりに呼ぶ
まず、訪問見積もりに呼ぶ業者は3社程度としてください。
特に『1日3社』は守って頂けると嬉しいです。
次に、どの業者を呼ぶか?
ということですが、これはどこでも良いわけではありません。
ちゃんと厳選した3社であるべきです。
見積もりに呼ぶ業者を厳選する際には、どの『見積もり一括サイト』を使うのか?が重要です。
どの見積もり一括サイトを使う?ということに関しては、以下の記事を参考にしてみてください。


見積もりに呼ぶ3社の選び方
ではここから、見積もりに呼ぶべき引越し業者の選び方(絞り方)を解説していきますね。
私がオススメする『引越し一括見積もりサイト』を使っていくと、自分が入力した引越し条件に対応できる引越し会社が一覧として表示されます。
表示された引越し業者の一覧を見ると、誰もが知っている会社と、あまり聞いたことのない会社があるはずです。
私のおすすめは、
- 大手業者から2社
- 中小規模の業者から1社
です。
まずは、
- 知っているな
- 聞いたことあるな
という業者の中から2社選ぶイメージです。
聞いたことない業者の中には、地域に根ざした優良業者も見つかるかも知れません。
引越し元と引越し先の距離が近い引越しなら地元の優良業者が一覧の中に入ってくる可能性も高まります。
一覧された業者の情報は、
- 引越し業者のメッセージ
- 概算金額または利用者の平均価格
- 基本サービス
- オプションサービス
- クチコミ
これらを参考に絞り込んでいくイメージです。
情報の中には、「概算金額または利用者の平均価格」がありますが、これは選定条件に入れる必要はないと思っています。



理由は、後でいくらでも交渉できるから・・・
ここでは、料金以外の『内容面で選んでいく』と失敗しないかな
って思います。
このあとは、
- 3社選ぶ
- 連絡先などの個人情報を入力する
- 訪問見積もりの依頼をする
という流れになるのですが、
その前に、決めておかなければならないことがあります。
それが、訪問見積もりをいつにするか?ということ。
訪問見積もりの時間配分
訪問見積もりを1日で完了させるためには、引越し業者とのアポイントを同じ日に集中させる必要がありますよね?
大手の場合は営業マンが何人もいるので、比較的希望日にアポイントが取れると思いますが、中小規模の業者の場合、どうしてもその日は受けられないということがあります。
さらに、3社選んで見積もり依頼をかけると、大手から先に連絡が来ることが多いはずです。
これも人員の問題で、対応するコールセンターのスタッフが充実しているためです。
ここで注意したいのが、



大手2社の予定は同じ日に入れられたのに、最後に掛かってくる中小規模の業者が、その日は難しいと言われてしまうパターンです。
そうなると、見積もり日が2日に渡ってしまったり面倒が増えるので、おすすめは少し手間かも知れませんが、3社同時に見積もり依頼を掛けるのではなく、中小規模の業者だけに先に依頼をかけて、中小規模の業者と見積もり日を決めてから、残りの大手2社に見積り依頼を掛ける方法です。
ちょっとわかりにくいですよね?
以下がイメージになります。


次に、訪問見積もりにかかる時間は、一般的に30分〜1時間程度と言われています。
ですが、今回は1社1社しっかり確認していきたいので、1時間〜1時間30分をみておくとベストです。
- 1社目の見積もりが終わった瞬間に次の業者がくる
- 1社目の見積もりが伸びて次の業者が来てしまった
上記のようなことを避けるために、間に30分余裕を持って、1社に対して2時間を目安にスケジュールを組んでいくことをオススメします。
1社目 9:00〜10:30
2社目 13:00〜14:30
3社目 15:00〜16:30
絶対にコレじゃないと駄目ということではありません。
あくまでもこんな感じのイメージですってこと・・・
特に開始時間は、引越し業者側の都合もありますからね。
上記時間割りのポイントは、特に小さいお子様がいらっしゃる場合、お昼の時間をしっかり確保した配分になっていることです。
訪問見積もり時の注意点
ここで訪問見積もりの注意点をお伝えさせて頂きたいと思います。
それは、業者同士がバッティングしてしまう事なんです。
見積もりの数を増やして値段を落としていこうと考える人は、効率を考えて同じ時間に予定を入れたり、時間差(30分後など)でどんどん予定を入れたりします。



業者同士をバッティングさせないほうが良い理由は以下の通りです!
- 料金交渉ができない
- 料金以外(内容面)がわからない
- 暇な業者が最後まで残ろうとする
- 最後まで残った業者にしつこくされる
営業マン側の視点で言えば、同席(バッティング)はその場で契約を貰えることが絶対にないので、頑張ることをしません。
お客様側の視点で言えば、『内容がわかならい』のと『暇な業者が残ろうとする』というのが最大のデメリットです。
交渉のコツは「決められるかも」と思わせること
最後に、『最安値を引き出す』ところでも触れましたが、交渉のコツは相手にメリットを感じさせることです。
相手(営業マン)のメリットはただ一つ『契約が取れること』です。
相手側にこのメリットがあるから、そのために頑張って(料金を安くしようとして)くれるんです。
「交渉しません」「今は決めません」という姿勢では、最安値を勝ち取ることも信頼できる良い業者を見つけ出すこともできないので気をつけてください。








